令和5年度ピアサポーター養成講座②

【ピアサポーター養成講座第2回】

前回の養成講座から早1週間がたち、第2回目は2部構成で行われました。

 

前半は 特定非営利活動法人Gender Action Platform理事で関西学院大学客員教授としてもご活躍の大崎麻子氏から、「ピアサポート事業の背景と意義 -コロナが明らかにした現実-」と題されたご講義をいただきました。

国際社会共通の目標であるジェンダー主流化の解説からスタートして、新型コロナウィルスのパンデミック下で緊急的に行われた国連から加盟国政府への働きかけ、それを受けた日本政府の動きなど、部分的にはニュースで見聞きしたことはあってもなかなか自分ごと化することが難しいトピックを総ざらいしたあと、ジェンダー平等の実現や女性や女の子のエンパワーメントのためには平時の社会構造の変革の重要性を丁寧に解説してくださいました。

現在、女性に関連する法整備や政策整備などが政府によって進められており、私たちの今後の活動に関わるような重要な法律の施行もあります。社会構造の変革を促すために自治体と民間団体との協業による支援の重要性がこれから更に高まります。ピアサポーターは複雑化する社会でひとりひとりに寄り添い、支援活動を行うと同時に、支援が必要な方と行政を繋ぐ大切なハブであり、社会資源の一つ、セーフティネットの一つであることを再認識しました。

 

後半はノンフィクションライターで東京福祉大学 社会福祉学部専任講師としてもご活躍の飯島裕子氏から「なぜ女性は困難に陥りやすいのか」と題されたご講義をいただきました。

女性の視点で2020年からのコロナ禍を振り返り、シングルマザーの苦境、緊急事態宣言下で行き場を失いステイホームできなかった人たちの困難、コロナ禍で生活の安定を急に失った単身女性、高齢女性ホームレスの事件など、その時々のニュースと取材をした女性の生の声、データを織り交ぜて具体的な個別の事例をご紹介くださいました。

女性が困難に陥りやすい原因は社会構造や制度、慣習に原因がある一方、困難を抱えていたり、何らかの支援が必要な方でも、自分を支援の対象者だと思っていない場合であったり、支援を受けたくても支援先を知らないなど、声をあげられない人たちに寄り添い、どうやって繋がるか常に考えて、自分も当事者のひとりであるという意識を持って活動することが、私たちピアサポーターやピアサポート事業の役割や役目であると自覚することができました。

 

次回の養成講座は7月21日の予定です。

ピアサポーターひとりひとりの経験やスキルが社会資源として役立てるよう更に学んでいきたいと思います。