【令和6年度ピアサポーター養成講座 第2回】
8月2日(金)19時~20時、「ピアサポーター養成講座(全5回)」の第2回を開催しました。この講座は、「女性つながりサポート事業」に関わる人材育成を目的としたもので、知識とスキルを学ぶ連続講座です。
今回は、まず第1部として、特定非営利活動法人 GWEI事業事務局の笠井さんによる「ピアサポートとは」をテーマとした講義が行われました。
ピアサポートとは、同じ経験を持つ者同士が同じ立場で行う支援のことです。支援を受ける側とする側が固定されない点や、コロナ禍で顕在化した女性や女の子の困難に対する支援の可能性について学びました。
さらに、ピアサポーターは単に話を聞いて適切な資源につなげるだけでなく、自らが社会資源としての役割を果たすことの重要性も強調されました。
第2部では、特定非営利活動法人 GWEI の理事である三木さんから「ピアサポートとくしまの5つの事業」について説明がありました。
「Web相談」、「居場所づくり」、「生理用品の提供」、「アウトリーチ」、「ピアサポーター養成講座」という5つの柱に基づいた事業内容とその意義について具体的に解説が行われました。
受講生のなかには、自分の活動に対するイメージをより具体的に描いた方もいらっしゃったことでしょう。
さまざまなアプローチで、必要とされる方々に支援を届けることが目指されています。
第3部では、「困りごとに寄り添うパーソナルサポート ~東京・国立市 Jikka の実践」というテーマで、NPO法人くにたち夢ファーム Jikka の責任者であり、社会福祉法人かいゆうの会長である遠藤良子さんからお話をいただきました。
遠藤さんは、東京都国立市で女性シェルターを運営し、DV被害者や生活困窮者に対する支援を行っています。
講義では、DV問題の広報啓発活動の重要性や、誰もが気軽に立ち寄れるオープンスペースでの支援事例について、多くの具体例を交えながら説明されました。
また、遠藤さんは、女性の困難が個人的な問題ではなく社会構造に起因するものであり、女性が社会的責任を負わされることの多さを理解した上で支援を行う必要があると強調しました。家庭内での孤立感が社会構造の影響で個人に自己責任を感じさせることから生じるということ、さらに、DVは社会的な矛盾が一つの形として現れたものであるということは、特に印象的でした。
さまざまな支援に向き合うとき、支援者は特別な存在ではなく、地域の隣人として関わることが求められるということ、そして支援は共感と理解から始まり、相談者が自らの意思で決定を下すことが重要であるとのお話がありました。
受講生のみなさんも、多様な例を通じて支援のイメージを深めることができたのではないでしょうか。ピアサポートの活動を続けていく中で困難なケースに直面したときには、遠藤さんの力強い実践やメッセージで自分自身を鼓舞しながら活動を続けていきたいと思います。