R6_ピアサポーター養成講座④開催報告

【開催報告_ピアサポーター養成講座第4回】

ピアサポ―ター養成講座第4回目「言葉で寄り添う_ピアサポーターのための言語化スキルアップ講座」を開催しました。

NPO法人JAMネットワークインストラクター、コミュニケーション・エンパワーメント講師の伊藤佐和先生です。

コロナ禍を経て、女性を取り巻く様々な社会課題、それらが複雑に絡み合っている中で、多様な困難や悩みを抱える女性からの話を聴くピアサポーターにとって、どんな言葉を選び、どのように声をかけながら寄り添うのかは、とても大切なポイントだと感じています。

今回は、以下3つの内容についての講義と、グループワークを通して学びを深めました。

最初に「コミュニケーション&傾聴」についての話を聞きました。

コミュニケーションとは、1人では成立しないこと、双方向に感情や考えを伝達し合う(キャッチボールが続くラリーのようなイメージ)ことで成立し、言葉以外の非言語(身振り・表情・話すスピードや大きさ、声のトーンなど)も大きな要素であるということを教えていただきました。

さらに、ピアサポーターにとって大切なスキル、「傾聴」について「①共感しながら理解しようとする。②善悪、好き嫌いの評価を入れない(ジャッジしない)。③話を否定せず、背景に肯定的な関心を持って聞く」という心理学で示されている3つの定義を取り上げて教えていただきました。話し上手や聴き上手は、性格や生まれつきの才能ではなく、腹筋を鍛えたければそれに見合ったトレーニングをするのと同じように、聴き方や話し方など、それぞれに合った練習を積み重ね、必要な知識や技術(スキル)を学びながら少しずつ自分の物ものにして、使いこなしていくということが大切なポイントだということも教えていただきました。

 

次に「話しやすい場(雰囲気)づくり」について、グループワークを通して「傾聴ではないモードと傾聴モード」を実際に体感しました。先生から“聞く耳モードのあいうえお”を伝授いただいた後のワークでは、「自分を表現しやすかった、安心感があった、もっと話がしたかった」という参加者の言葉からもわかる通り、安心や安全と共に、深さや広がりが感じられた様子でした。さらに、自己紹介ワークを通して、質問の難しさを感じたと同時に、会話のキャッチボールをしながら話を深めることの大切さも教えていただきました。

ピアサポートの場では、対面とオンライン(言葉と声のみ画面はoff)で会話をします。機械を通した声は低く、無機質に感じがちというポイントを頭に入れて、話しやすい場(雰囲気)を作るためにできることを参加者で共有し合いました。

限られた相談時間の中で、相手に安心安全を感じてもらうための大切な時間になるように、スタート時の言葉選びや雰囲気づくりについても、実際のワークを通して体験しました。

 

最後に「語彙(言い回し)を増やそう」ということで、テーマに沿って実際に参加者で表現(語彙)のシェアするワークに取り組みました。他の方の言い回しや表現を知ることで、自分の言葉の引き出しを増やし、言葉が豊かになるという気づきもいただきました。

さらに、言葉としては見えていない表情やテンション、声のトーンや高さ、互いのペース、間の取り方なども含めて、語彙を増やすことで、色々な表現ができるようになるということも知ることができました。

まとめとして、講座で印象に残った言葉、やってみようと思う事などをそれぞれシェアすることで、本日の講座の振返りをみんなで行うことができました。

先輩サポーターからの実体験を聞かせていただいたことで、ピアサポーターとして話を聴く時際のイメージができたのではと感じています。

今回、それぞれのワークで感じた不安や安心する感覚をいつまでも大切にしていきたいと感じています。互いに助け、助けられる仲間が沢山いることを実感できる時間となりました。