令和8年(2026年)8月23日、養成講座第1講義を開催しました。
始めに運営団体の特定非営利活動法人GWEI 副理事笠井より、挨拶があり
次に徳島県こども未来部男女参画・青少年課 課長より、挨拶と事業目的の説明がありました。

それから、徳島県こども未来部男女参画・青少年課 男女参画担当より、「徳島県の男女共同参画の取組みについて」をテーマとした講座が開催されました。
男女共同参画社会の実現に向けて、国内外の動向や徳島県の現状、女性活躍を推進するための施策、今後の課題などについて説明が行われました。
男女共同参画社会とは、性別にかかわらず、誰もが互いの人権を尊重し、責任を分かち合いながら、それぞれの個性や能力を十分に発揮できる社会を目指すものです。日本では男女共同参画社会基本法に基づいて取組が進められていますが、ジェンダー・ギャップ指数では日本の順位が146か国中118位となっており、特に政治や経済の分野における男女間の格差を解消することが課題となっています。また、SDGsの目標5である「ジェンダー平等を実現しよう」の達成に向けた取組も進められています。
一方、徳島県には全国的に見ても女性の活躍が進んでいるという特徴があります。2025年度の内閣府調査では女性社長の比率が全国1位となっているほか、審議会などにおける女性委員の割合や、管理的職業に従事する女性の割合についても全国1位となっています。このことから、徳島県では企業経営や行政、公的な意思決定、組織のリーダー層など、さまざまな分野で女性の参画が進んでいることが分かります。
また、令和8年版男女共同参画白書では、デジタル化の進展に対応するためのリスキリング、つまり学び直しの重要性が示されています。しかし、学び直しを行う際には、時間的・金銭的な制約が大きな障害となる場合があります。そのため、誰もが学び直しやキャリア形成に取り組めるよう、環境整備や支援体制を充実させることが求められています。

徳島県では、「徳島県男女共同参画基本計画(第5次)」に基づき、さまざまな施策を展開しています。具体的には、生涯を通じた女性の健康支援や、職場における女性の活躍、キャリア形成の支援などが進められています。また、「パーク テレコメディア」を男女共同参画総合支援センターとして活用し、相談業務や各種講座、情報提供などを行っています。さらに、地域における安全・安心の確保を目的として、DV(配偶者暴力)対策や各種防止啓発、被害者の保護や生活支援にも取り組んでいます。
講座では、困りごとを抱えている人が利用できる相談窓口についても紹介されました。こころや生活に関する悩みについては、メンタルヘルスや生活上の福祉相談などを受け付ける窓口があります。また、女性やDVに関する相談については、配偶者暴力相談支援センターや女性相談窓口が設けられており、DV、離婚、家族関係などについて専門的な相談や緊急支援を受けることができます。そのほか、ストーカーや性犯罪などの被害については、警察や犯罪被害支援の窓口で、安全確保や被害防止に関する支援を受けることができます。
徳島県は、女性社長の割合や女性の管理職など、全国をリードする女性活躍の実績を持っています。しかし、職場や地域における環境の改善、リスキリングへの支援など、さらに取り組むべき課題も残されています。今後も、性別にかかわらず一人ひとりが自分らしく能力を発揮し、安心して生活できる社会を実現するため、男女共同参画の取組を継続していくことが重要です。
次に、徳島大学大学院 社会産業理工学研究部 社会総合学科域 人間科学系 心理学分野 准教授の甲田宗良様に「相談員としての心構えと傾聴スキル」についてお話しいただきました。

講座では、ピアサポートの考え方、相談員の役割、傾聴の基本的な技法、相談者との関わり方などについて学びました。
はじめに、ピアサポートとは、専門家による支援ではなく、同じような経験や立場にある人同士が助け合う支援の形であることを学びました。専門的な相談窓口を利用することに心理的なハードルを感じている人や、深刻な状態ではないものの、誰かに気持ちを聴いてほしい人の話を聴き、必要に応じて行政サービスなどの社会資源につなぐことが、ピアサポーターの重要な役割です。
ピアサポーターは、相談者の問題を直接解決したり、一方的に助言したりするのではなく、まず相談者の話を聴き、事情を理解し、気持ちに寄り添う「話を聴く人」であることが強調されました。必要に応じて専門機関などに任せたり、頼ったりすることも大切であると学びました。
特に印象に残ったのが、「よ・く・き・く」という考え方です。「よ」は横にいること、「く」は詳しく聴くこと、「き」は共感できるまで聴くこと、もう一つの「く」は苦労を分かち合うことを意味します。相談者の話を正確に把握しながら、尋問や事情聴取にならないよう注意し、これまでの苦労を労い、認め、受け止めることの大切さを学びました。
また、相談員には、女性を取り巻く社会的構造上の問題を理解すること、女性の話を聴くスキルを身につけること、利用できる社会資源を知っておくことが求められます。相談員の振る舞いでは、傾聴・理解・共感・受容・支持といった言葉による関わりだけでなく、姿勢、視線、表情、声や口調などの非言語的な要素も重要であることを学びました。
傾聴については、カール・ロジャーズの考え方をもとに、単純な受容、繰り返し、反射、明確化、質問などの積極的傾聴法について学びました。人は誰かに話すことで、緊張が和らいだり、安心感を得たり、気持ちを整理したりすることができるため、「聴くこと」そのものが支援になることを理解しました。
さらに、相談者が安心して話せる環境を整えることも重要です。対面では、相談者に身体を向け、穏やかな表情で接すること、オンラインでは、うなずきや表情、話す速さなどを意識することが必要です。また、相談員の心構えとして「PACE」が紹介され、相談者とともに問題解決に取り組む「協働」、価値観や可能性を尊重する「受容」、ニーズを大切にする「思いやり」、相談者自身が持つ力を引き出すことの重要性を学びました。
今回の講座を通して、相談員にとって最も大切なのは、相談者の話をまず「よく聴く」ことであると改めて理解しました。自分の経験や価値観だけで相手を判断せず、「無知の知」の姿勢で相手の話に耳を傾けることが必要です。また、相談員だけで問題を抱え込まず、必要に応じて専門機関や社会資源につなぐことも重要です。
今回学んだ「聴くことこそ支援になる」という考え方を今後の相談活動に生かし、相談者が安心して話すことができ、「話を聴いてもらった」と感じられるような関わりを大切にしていきたいと思います。
最後に、先輩ピアサポーターの紹介と、今年から参加してくれる新規ピアサポーターの顔合わせを行いました。
全ての講座内容が終了した後も、和気藹々とそれぞれお話を楽しんでいる姿がとても印象的でした。
実際にピアサポーターが皆集まって話す機会は意外と少ないので、久しぶりに会える仲間との時間を楽しめたのではないかと思います。
これから仲間になってくれる受講中の皆さんとも、温かなコミュニティを作っていきたいと願っています。
次回は8月28日金曜日19:30〜オンラインです。
皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。
