土手を走る
皆さんは、苦手なことってありますか。
例えば高いところに上るのが苦手とか、狭いところに行くのは嫌、というようなことです。
私の場合は、土手を車で走ることが怖くて苦手です。
徳島には川沿いの土手に長い道がありますよね。通勤などで使う方も多いでしょう。
なぜかわかりませんが、私は土手は怖い、といつも思っています。
そして実際、自分が運転しているときに土手を走ることはありません。
ところが、あるときその苦手なことをする日が来ました。
目的地は決まっていたのですが、そこに一緒に行く方がいて、
それぞれの車で向かうことになり、私はその方の後ろをついていったのです。
ルートはいくつかあったのですが、その方は土手を走るルートを選択しました。
あっ、と思いましたが、仕方がありません。
付いていくしかないと思い、後ろについて、土手を走りました。
走ってみると、思っていたよりは怖くなかったです。
そしてあっという間でした。
でも土手を抜けた時はほっとしましたし、やはりその後も土手を走ったことはありません。
あの時は、その方の先導があったから走れたんだなと思います。
また、その方が信頼できる人だったというのも、大きな要因だったと思います。
ピアサポートで行っているアウトリーチは、きっとこういう感じだろうと思います。
（アウトリーチ：その方が希望する場所へ出向いて相談をお聞きしたり、関係する窓口へ同行したりする支援）
ひとりではできないことでも、誰かと一緒にならできるかもしれない、やってみようと思える、そのお手伝いがアウトリーチです。
大人になったからといって、誰かの助けを借りることは、恥ずかしいことではないと、あの経験を通じて私は感じました。
そして、苦手なことでも、誰かの手を借りてできるようになるなら、それは大きな一歩ではないかな、と感じています。
（文責：ちー）
