【ピアサポーターコラム】人との距離の取り方

【ピアサポーターコラム】人との距離の取り方

人との距離の取り方

ヤマアラシのジレンマというのをご存知でしょうか。
厳しい冬の寒さに耐えるため仲間と身を寄せ合い、互いの体温で温め会いたいけれど、他者が近づくだけで自然と体が反応し、ヤマアラシは自分の命を守るための防御の針で仲間をも攻撃してしまうという悲しいジレンマがあります。

せめて付かず離れずの距離を保って仲間で助け合おうということなのですが、一人きりは寂しいけれど、集団の中の孤独ほど辛くはありません。
他者に良かれと思ってしたことが相手には迷惑と取られ、拒否されたり思いが届かなかったりした時には失望し、疎外感が強くなります。

組織に所属している頃はノルマや上下関係でしんどい思いをしていたけれど、フリーになると自由気ままに振舞える反面、複数の人や集団を相手に対応するとき、なんとなく後ろめたく気後れがしてしまうのは何故でしょうか。
昔の仲間に連絡して、受話器の向こうから複数の人の楽しそうな笑い声が漏れ聞こえると、それだけで寂寥感や自責を感じ、恥ずかしい思いがしてしまうのです。

自分の意思で行動できること、自力で生活すること、誰かに助けを求められることが自立だと学びましたが、社会的動物としての存在である人間が、人と人の間でどのように自身のスタンスを保っていくかが常に問われているような気がします。

秋の季節の深まりとともに、そのようなメタファーを感じている今日この頃です。

 

(文責:ハナミズキ)

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